INTERVIEW

『アジョシ』の次の作品と言われることへのプレッシャーは?
A

もちろんプレッシャーはありましたが、俳優たちとも、アクションよりキャラクターの感情やその要因などについて話す時間を多く持ちました。そうやってキャラクターの内面を深く掘り下げることで、前作に対するプレッシャーは自然と消えていきました。

『アジョシ』の次の作品として、何故『泣く男』を作ったのか。伝えたかったテーマは?
A

主人公の内面にせまりながら、私らしいアクション映画を作りたいと思いました。アクションはもちろん、俳優の“目つき”“涙”がより記憶に残る映画にしたいと。この映画は一人の男の罪の意識と贖罪の物語です。主人公のゴンは霧がかかったような曖昧な内面を持つ人物で、誰かに触れられるだけで火山が噴火するような激しい罪の意識に苛まれるということを表現したかった。そして最終的には、観客からゴンへの共感を得ることができればと思っています。

『ゴンは暗殺者でありながら、『アジョシ』のテシクのような“心身ともに鍛え上げられた傭兵”というタイプではありません。テシクのようなタイプにしなかったのは?
A

幼い時に捨てられたということがゴンの内面を知る一番重要なキーワードです。冷たい都市の路地裏で生きるために数多くの死闘と苦悩を乗り越えて来たゴンと、軍で訓練を受けたテシクとはまったく違うと思います。テシクが怒りを爆発させる前に、感情を抑えクールに物事を実行していくのに対し、ゴンは攻撃されたら直ちに反撃して血を見なければ気がすまないオオカミのようだとでも言えるでしょう。

『アジョシ』では肉弾戦でのリアルさを、『泣く男』では銃撃戦でのリアルさを追求したと聞きます。『泣く男』で一番重要視したアクションとは?また、そこに込めた思いとは?
A

まず、銃の恐ろしさを表現したかったのです。どんなふうに銃弾が肉と骨をえぐり、人間を破壊するのかを知らなければいけませんでした。それを知ることでゴンの心理に近づくことができると信じていました。彼が感じる罪の意識と自分への侮蔑感を理解するためにも、彼が扱う武器の特性とその武器によって殺害された人々を知る必要があり、多くの動画や本を参考にしました。『アジョシ』の時も臓器密売に関する調査をしている途中で本当に人間が嫌になりましたが、今回はさらにそういう気分になりました。寝ようと思って横になれば、その日見た無惨な映像を思い出して眠ることができませんでした。そしてアメリカと韓国の射撃場で数々の銃を実際に撃ちました。俳優たちも同じです。最大限リアルに描くことでゴンの悲痛さを伝えたいと思いました。

Director イ・ジョンボム | 監督・脚本

1971年9月生まれ。韓国芸術総合学校卒業後、2000年に短編映画『帰休』をトロント国際映画祭、ギリシア・ローマ短編映画祭に出品。2006年、初めての長編『熱血男児』で正式に監督デビューを果たす。2010年に2本目の長編映画であるアクション・ノワールの金字塔『アジョシ』を監督し、数々の賞に輝いた。新作が待望される中、ついに2014年『泣く男』が完成。